牧師 松矢龍造
イエス様の養父として用いられましたヨセフの信仰的な生き方は、まさしく信仰者の模範と言える点が、いつくもあります。イエス様が、天の父なる神様に全幅の信頼をよせて祈っている姿から、養父としてのヨセフとの関係は、愛情深い、信仰の篤い人物であったと思えます。
ヨセフは「正しい人であった」とあります。正しい人であればあるだけ、ユダヤの律法を忠実に守ろうとします。その正しいヨセフが「マリアのことを表ざたにするのを望まず」とありますから、不貞をなした婚約者に対して憐れみの心を持ち「ひそかに縁を切る」かたちで、マリアを守りながら、他の場所に送ろうとしたのではないかと思われます。自分の正しさだけを振り回すのでもなく、また憐れみの心の中で、律法をないがしろにしてしまうのでもありません。
そんなヨセフに対して、主の天使が夢に現れて「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。」救い主・メシアは、ダビデの子孫として生まれると旧約聖書で預言されてきました。家系は普通、男子直系の流れとなります。けれど、ここでマリアは御聖霊によって救い主を宿しますので、血の流れは絶たれています。しかしマリアもダビデの末なので、ダビデの末は維持されます。けれど男子直系の血筋は絶たれています。そこに人が救われるのは、血筋でも家柄でも肉の欲でもなく、主の恵みであることが示されています。ヨセフは、マリアは他の男性ではなく神様の霊・御聖霊によって、救い主を宿したと聞いても、人間的には、よく分からなかったと思われます。しかし主が示されことの故に、たとえよくわからなくても忠実に従う。それがたとえ社会的に誤解を受けても、主が示されたことに従う。この忠実な信仰者ヨセフが、イエス様の養父として用いられた。それはうなずけることです。ヨセフは聖書の中で少なくとも四度、夢によって天使からお告げを受け、これに従いました。旧約時代にヨセフと同じ名前であり、しかも同じく夢によるお告げを受けた、忠実な信仰者がいました。それはアブラハムの子イサクの子ヤコブ・別名イスラエルの12人の子どもの一人であるヨセフでした。主からの夢や、啓示に生かされる者であることが共通しています。そして示された夢やお告げに、困難な日々が続いても従い通す。そんな二人のヨセフの信仰の姿勢は、私たちに対し対しても大いなる信仰の模範です。ある方はヨセフのことを「夢に生きる人」「御聖霊の霊感に従う人」どんなことがあっても「神のお告げに従う人」と表現していました。
皆さんも、この世の闇の中で、様々な生活の中で、困難さや辛さ、悲しみや問題をかか
えているでしょう。しかし主から示されたことに従う、若者、壮年、老人たちでありたいものです。御聖霊によって、預言と幻と夢を頂いて、私たちも救いを頂きませんか。また人々の為にとりなし、愛の業に生かされ、そして主のお告げに従い、救い主を証していきませんか。
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