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1016_先週の講壇_ヨハネによる福音書12章1~11節 「葬りの日のために」

  • 執筆者の写真: CPC K
    CPC K
  • 2022年10月29日
  • 読了時間: 3分

牧師 松矢龍造


少し前に、弟のラザロを墓の中から、よみがえらせて頂いた姉のマルタは、その感謝を表したく、イエス様の為に食事を用意しました。これに対してマリアは、壺に入っていて封印していた純粋で非常に高価な、約労働者の一年分に相当するナルドの香油を、イエス様に捧げました。それはキリストに差し上げるのが惜しいものは、何一つないと言っているのと同じです。この香油を、イエス様の足に塗り、自分の髪でイエス様の足をぬぐい、謙遜と献身、信仰と愛、熱意と感謝を表しました。キリストは、私たちの為に、命を捧げられます。ですから、私たちは、財産はおろか、自分の全てを捧げても、惜しくないお方です。

するとこれに対して、愚かなことだと言う者がそこにいました。裏切るユダにとって、イエス様は、3百デナリオンの価値があるように思えなかったのです。そして後に、この十分の一にあたる銀貨30枚で、イエス様を裏切ろうとしていました。イエス様は、貧しい人々を無視してもよいと言われたのではありません。イエス様の葬りの用意をしてくれたと言われたのです。マリアは、弟ラザロを、よみがえらせて頂いたことへの感謝に加えてイエス様のただならぬ表情に、女性の直感と信仰の故に、イエス様が自分たち為に死のうとしておられることを感じ取っていたのではないでしょうか。マリアは、詳しいことは分かりませんでした。ですが図らずも、神様の計画の中でイエス様の葬りの準備をし、メシアとしての油注ぎに相当することにもなりました。

この行為は、表面的には、愛の浪費に見えます。しかしそこには、純粋な愛の香りが遺っています。マリアの香油注ぎは、イエス様の命を捧げる愛に応えた、信仰の告白です。

ユダヤ人の指導者である祭司長たちは、イエス様だけでなく、ラザロの命まで殺そうと謀りました。一説によれば、サドカイ派の祭司長たちは、復活を否定する考えを持っていましたから、ラザロを殺して、証拠隠滅を図ろうとしたのかもしれません。堕落の悪循環です。マリアの純粋な信仰と、ユダの偽善や、祭司長たちの妬みや殺意が対比されています。またユダの悲惨な最期と、マリアの永久に遺る、信頼に足りる忠実で純正で本物の信仰の香りが対比されています。私たちの心の内面や言動から、どんな香りが周りに放たれているのでしょうか。

現代の私たちにとって、イエス様に香油を注ぐことは、どんなことでしょうか。それは私たちに委ねられたものを、隣人の必要の為に用いることです。それは、イエス様に対してなされたことであると、イエス様が言われるからです。私たちは、どんな香りを隣人に放っているでしょうか。偽善や妬みの香りでしょうか。それとも真実な香り、キリストの香り、福音の香り、愛の香りになっているでしょうか。悔い改めと共に、ご聖霊による力を頂いて、良き香りを放つ者と変えて頂きませんか。

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