箴言 10 章 12 節「憎しみはいさかいを引き起こす。愛はすべての罪を覆う。」箴言 17 章9節「愛を求める人は罪を覆う。前言を翻す者は友情を裂く。」ヤコブの手紙 5 章 20 節「罪人を迷いの道から連れ戻す人は、その罪人の魂を死から救い出し、多くの罪を覆うことになると、知るべきです。」ペトロの手紙一4章 8 節「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。」
起
シリーズで、「父親として夫として男性として」を展開して 5 回目となります。今回のテーマは、「心に届く愛情」となります。私たちが、家族を、どれほど愛しているかは、献身と、忠実さと、恵みと、優しさを通して伝わります。けれど毎日、家族を愛することは、口で言うのは簡単ですが、日々実行することは容易ではありません。しかし実際の家族にとって、心に届く愛情がなければ、家族は長続きしません。愛とは、ある面で使い古されている言葉ですが、心に届く愛情ほど、人が求めているものはないのではないでしょうか。
承
心に届く愛情を受けた子どもたちは、感情的にも心理的にも安定していて、友人関係も、しっかりしていて、成績もよく、大学に進学することも多く、生産性のある仕事をして、自分自身も健全で、献身した家族を持つようになると言われています。逆に、壊れた家庭出身の子どもは、学校を中退したり、精神的な病にかかったり、重罪の有罪判決を受けたり、早死にしたり、刑務所に入ったりすることも多いと言われています。また自分自身も、家庭を顧みない父親になったり、複数の男性との間に、子どもをもうけてしまうシングルマザーになったりして、この悪循環を、その子どもたちにも与えてしまうと言われます。そして悪循環の数が増えれば、社会やコミュニティが混乱して行きます。ある専門家が言います。刑務所改革は、先ず家庭改革からであると。
転 それでは、心に届く愛情には、何が大切なのでしょうか。第一に、献身です。愛は責任と献身に表れます。責任と献身は、心で感じるものであると同時に、意志をもって決断することでもあります。 責任と献身において、先ず妻に対する夫のことです。ある調査会社によりますと、夫か妻のどちらかが、離婚家庭の出身の場合、夫婦共に離婚家庭出身でない場合に比べると、その結婚生活は、二倍も破綻する可能性があるそうです。また、夫婦の両方とも離婚家庭出身の場合は、結婚生活が破綻する可能性は、三倍以上に上ると言われます。 離婚の影響は、世代を超えて、広がってゆきます。孫の世代になっても、祖父母が離婚している場合は、そうでない同級生に比べて、平均して、教育水準が低く、結婚しても不和が多く、両親との関係も、うまくいっていないと言われます。 けれど、離婚歴があるとしても、諦めないでください。離婚は、損害を与える事実から逃れることはできませんが、その損害を、最小限度に抑えこむために努力することは出来ます。
さらに妻が長期に渡って、夫に対する責任と献身を続けてくれるのは、夫が妻に対して、長期に渡って、責任と献身を続けて来た、見返りです。アメリカが行った全国調査によれば、離婚歴のある男性の 65%、また離婚歴がある女性の 78%が、離婚したおもな理由として、献身が足りなかったことを挙げています。そして離婚した男女両者の 62%が、結婚していた時に、もっと頑張ればよかったと思っているそうです。さらに男性の三分の二が、離婚したのは、間違いであったと感じています。
心に届く愛情の要素の第一は、責任と献身でしたが、第二は、忠実さです。もし皆さんが結婚しているなら、妻に対して、忠実であることが大切です。それは単に、性的に淫らな関係に、他の女性とならないだけではありません。もちろん、これも絶対に不可欠な要素ですが。
もし妻がいないところで、他の人といる時、妻をよくけなしたりしませんか。多くの男性は、そうしがちだと言われています。これは危険な習慣です。他にも、性的な関係は持たないけれど、感情的に、他の女性に心引かれたことはありますか。それは忠実でない危険なことです。さらに公的な場面でも、私的な場面でも、奥様をどのように扱っていますか。決して妻をネタにして、変な冗談言わない。また妻に対して、二流の市民であるかのように感じさせてはいけません。夫である皆さんも、妻からそのようにされたくはないでしょう。
思春期を迎えた娘さんが、最も父親を嫌う理由は、母親である妻を、苦しめて愛していない父親の姿に対してだと言われています。家族が、どのような雰囲気になるかは、夫であり父親である人の、リーダーシップにかかっています。
忠実さの一つは、公の場でも、私的な場でも、妻に対して、敬意をもって、接することです。そうすることは、大切にされたいという妻の要求を満たすことになります。ならば、妻の方も、夫の必要を満たしてくれるようになります。
そして、その影響は、子どもに留まらず、孫や曾孫まで影響を与えて行きます。未来の世代において、不貞が起きないために、今日、夫であり父親が出来る最も大切なことは、忠実さという遺産を遺すことです。
加えて、忠実さということで、子どもと約束したことは、必ず守るということも、忠実さにおいて、大切なことです。子どもたちは、特に小さい時は、仕事の為であっても、子どもと約束をしたことが守られなければ、傷となって残るだけです。それは、心に届く愛情とは、反対のことになってしまいます。
心に届く愛情には、第一に責任と献身であり、第二は、常に忠実であるということです。そして第三は、恵みです。恵みとは、本来なら頂くことが出来ない憐れみのことです。私たち人間は、誰でも完全な人はいません。時に失敗したり、誤って大切な物を壊してしったりする時があります。たとえば、子どもや妻が、大切にしている携帯電話や、釣り竿や、カメラを誤って壊してしまったとします。
私たちは、みんな失敗を犯します。夫や父親である自分も、その一人です。ですから、皆誰でも、恵みを必要としています。それは家族から始まります。家族から、恵みを受けたいと思うなら、先ず、家族から、がっかりさせられた時、家族のみんなに、恵みを示す機会です。父親としても、模範を示す機会であります。
私たちが、他の人を、どれだけ愛しているかを示したいなら、恵みを示すことが、とても大事な場面となります。妻に対して、恵みを表す瞬間は、子どもに対して、教える瞬間にもなります。
私たちが、恵みを表すことが困難な原因の一つは、私たちが、小さかった頃、あまり多くの恵みを受けなかったことではないでしょうか。神の御子イエス様は、私たちの罪の為に、十字架で身代わりとなって私たち一人ひとりの罪を負ってくださいました。そして罪人である私たちを、恵みによって、このキリストを信じる信仰を通して、罪を赦してくださいます。
エフェソの信徒への手紙 4 章 32 節と 5 章 1 節「互いに親切にし、憐れみの心で接し、神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、赦し合いなさい。」「あなたがたは神に愛されている子どもですから、神に倣う者となりなさい。」
心に届く第四の要素は、優しさです。大人なら、だれでも分かるのですが、男性よりも、女性の方が、優しく、人を養い育てることに優れています。それは生物学的にも、信仰や霊的なことに対してもです。
そして結婚すると分かるのですが、女性は優しく人を養い育てること対して、一般的に反応します。しかし軍隊が訓練するような、やり方ではありません。愛をもって真理を語る。あるいは、時間をかけながら、愛情と配慮を注ぐ中で、養い育てます。
そして時には、父親である自分も、弱さや欠けや醜さがあることを、正直に告白します。家族
の前で、時に弱さを、さらけだす時、家族は、なおいっそう、あなたを愛するようになるでしょ
う。家族は、さらに深く、父親を深く知り、さらに良く愛するようになるでしょう。これが結婚
であり、家族です。つまり別の人格を深く知り、その弱さを含めて、全てを愛することが、深い絆となります。
結
結
心に届く愛情には、少なくても四つの要素があります。一つは、責任と献身を通してです。二つ目に、忠実さを通してです。そして第三に、恵みであり、第四に、優しさを通してです。皆さんは、この四つの要素の中で、どれが比較的出来ていて、どれが、特に強める必要があるでしょうか。静まって考えて、それぞれの要素を、さらに伸ばすことが出来ますように。
そして最後に、心に届く愛情で、気をつけたい具体的な要素を三つあげます。一つは、荒々しい言葉に対して答える際は、その前に、10 を数えてから、穏やかに言葉を用いるようにすることです。
二つ目に、時間に余裕を持つようにして、家族の誰かが困難な日々を過ごしていないか、気づけるようにすることです。
そして三つ目に、ゆったりとして、人生を楽しむことです。家族と、時に、ゆっくりと時間をとって、「愛してるよ」「大切に思っているよ」「神様に感謝する時を持とう」など、このように語り掛ける機会を持つことを、大切に出来ますように。
そして、どのご家庭も、心に届く愛情が、増してゆくことになりますように。ペトロの手紙一4章 8 節「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。」
お祈り致します。
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